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N220  児童・思春期・青年期の心理
紹介記事目録
  2003年   2001年
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記事紹介の留意事項

































朝日
2003/10/12
No .N220a031012xxx
USA



カリフォルニア大学
シリーズ・特集;
見出し:
仲間はずれの痛みと体の痛み、脳では同じ反応 米で研究
メモ :
仲間はずれにされて心理的な疎外感を感じるのも、体が物理的な痛みを感じるのも、脳内の反応は同じ――。米カリフォルニア大などのグループが実験でこんなことを確かめ、米科学誌サイエンスの最新号に発表した。

13人の被験者にそれぞれテレビゲームをしてもらった。ゲームは、被験者が画面に出てくる2人とキャッチボールをする内容。最初は3人が仲良くボールを投げ合うが、突然、被験者が仲間はずれにされ、ボールを投げても2人からは返球がないよう設定した。

脳の反応を機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)装置で調べたところ、仲間はずれにされると、痛みによる苦しみに関係するとされる前部帯状回皮質という部位が反応していた。苦痛のコントロールにかかわる右前頭葉前部腹側部も、仲間はずれにされた時に活発に反応していた。

脳の痛みの認識に詳しい岡崎国立共同研究機構生理学研究所の柿木隆介教授(神経生理学)によると、二つの部位の周辺は、痛みがなくても「痛い」と思うだけで反応することが知られている。「今回の研究は、疎外された時の心の痛みも同じ部位で反応することを示しており、興味深い結果だ」と話している。

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朝日
2003/07/25
夕刊 1面 No .N352a030725e1




文部科学省/伝田健三
シリーズ・特集;
見出し:
子供のうつ病調査へ/文科省 5000人規模、治療法探る
メモ :
5年連続で3万人を超えた自殺の主因の一つ「うつ病」が、子どもの間でも目立ってきており、さらに低年齢化しているとの指摘もあることなどから、北海道大学の研究グループは9月に、5000人規模の実態調査に乗り出す。これだけ大規模な調査は国内初。子どものうつ病は、摂食障害や不安障害など合併症の背後に隠れていることも多く、実態がよくわかっていない。今回の調査で、抑うつ傾向の広がりや深さを調べ、予防法や、治療法など対策の確立につなげることを目指す。


子どものうつ病は、大人と違い、気分の落ち込みが時としてイライラ感や攻撃的な行動として現れる。また、頭痛や腹痛など身体症状を訴えることも多い。うつ病がこうしたことの陰になりがちのうえ、低年齢児は自分の症状をうまく伝えられないこともあって、周囲は気づきにくい。

調査に当たるのは、伝田健三・北大助教授(児童精神医学)らのチーム。児童、保護者、学校の同意が得られた札幌市内の小学1年〜中学3年の5000人を対象に、抑うつ状態にある子の割合や、年齢や性別ごとの違いを分析する。

伝田助教授の所属する北大病院精神神経科には、1995年から5年間で17歳以下が410人受診。そのうち、うつ病や躁鬱などの症状を含む気分障害と診断された子が111人を占めた。最年少は8歳だった。

そのうち、6割が摂食障害(41例)や、パニック障害・強迫性障害といった不安障害(24例)などを合併していた。不登校を理由に紹介されてきた場合が14例、うつ症状が原因で欠席が続いていたケースが51例あった。自殺未遂をした子もいた。

こうした実態を受け、5000人調査と並行して、北大病院で最近10年間にうつ病と診断された17歳以下の児童・生徒200人を追跡調査する。発症年齢や成育歴、薬物治療やカウンセリングを受けたことによる症状の変化、再発率などを調べる。


管理人:http://www.asahi.com/national/update/0725/022.html には次のような内容が付け加えられていました。

伝田助教授は「子ども本人も親も気付かずに悩んでいるケースは多い。軽症だからと放置すると、大人になって再発したり、重症化したりする。今回の研究で実態を明らかにし、予防と治療に役立てたい」と話している。

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朝日
2003/05/07
朝刊 23面 No .N220a030507m23
兵庫県/宝塚市
高校3年生

17
田上藍
シリーズ・特集;
見出し:
悩んだ怒った闘った/高校生の田上藍さん 自分の思春期 本に/ 「無条件の愛に気づいた」
メモ :
中学生になると同時に、私に壮絶な思春期がやってきたんだ――。親や教師、友人と激しく衝突した日々を、兵庫県立高校の3年、田上藍さん(17)=兵庫県宝塚市=が「14歳、思春期バトル」という本にまとめた。たばこ、水商売のアルバイト、友人の妊娠など、いら立ち、もがき続けた日々。「私には無条件に愛してくれた人がいたから、今この世に存在している」との思いが伝わってくる。


藍さんは、NPO「女性と子どものエンパワメント関西」の理事長、田上時子さん(52)の一人娘。カナダで生まれ、2歳半の時に帰国、兵庫県宝塚市で育った。

問題が起きたのは、中学に入ってから。女子グループの中でした内証話を、友人が他の子にしゃべったのだ。裏切られたと感じて、学校が嫌になった。

トイレでタバコを吸った時には、校長先生から「お母さんは立派やのに」としかられ、「母と私はセットじゃない」と憤慨した。時子さんともけんかをし、短い期間、家をあける「プチ家出」もした。当時は母、祖母との3人家族。祖母は「たまには足を踏み外してもいいねん。その方が次に頑張れる」と励ましてくれた。

自立しようと、大阪市内のラウンジでコンパニオンのアルバイトをした。シンナーにはまり、「彼氏」に殴られたこともある。友人に妊娠を打ち明けられ、時子さんと3人で産婦人科にも行った。赤ちゃんの名前を一緒に考えたが、結局、彼女は中絶した。

母娘は言い争いを繰り返した。それでも、気持ちはなかなか通じなかった。

「あれだけ自己主張できるのだもの。いつかわかるはず」。藍さんを信じていたという時子さんだが、楽ではなく、過労で倒れたこともある。時子さんは「幸運だったのは、私にも藍にも相談できる友人がいて、孤立していなかったこと。だから、つぶれずにすんだ」と振り返る。

藍さんが単位制の高校に入学して1年生の夏休み、母娘でアメリカを旅した。それが、本音を語る機会になった。

時子さんが「あの時の藍の気持ちはどうだったの」と尋ね、気持ちを文章にすることを勧めた。藍さんは高校1年の終わりから、中学時代の体験や思いを約1年かけて書いた。それが、本としてまとめられた。

藍さんは昨年、同じ高校に通う男性と結婚。2月には娘が生まれ、勉強と子育ての両立を目指している。学校に行く日は、時子さんがベビーシッター役を引き受けている。

バトルの最中でも時子さんは涙を見せなかった。激しく衝突しても、2人は協力して思春期の嵐を乗り越えたのかもしれない。

「ただ一人だけでも無条件に愛してくれる人が、一人に一人、絶対いたら、この世の中は、なにかしら違うんだろうな」と、藍さんはいま思う。

時子さんも、ようやく笑顔で話せるようになった。「バトルの後の親子関係?とてもさわやかですよ」

「14歳、思春期バトル」は四六版、204ページ。築地書館(03-3542-3731)刊。本体1500円。


管理人:女性と子どものエンパワメント関西のサイト紹介はこちら


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京都
2001/12/27
朝刊 15
No .N220k011227m15
東京/新宿
フリーライター

32
渋井哲也
シリーズ・特集; いのち&うるおい
見出し:
ネット上の交流に安らぐ/自傷行為繰り返す若者たち/緊張を緩め孤独いやす
メモ :
刃物で体を傷つけたり、睡眠薬をあおる「自傷行為」を繰り返す若者たちが、インターネットを使った交流に安らいでいる。犯罪に絡んで批判されがちなネットの出会いだが、傷つくことに敏感な彼らには、日頃の緊張を緩め、孤独をいやす魅力があるようだ。

土曜日。東京・新宿に10台から30代の男女約15人が集まった。若者の自殺願望などを取材しているフリーライターがホームページを通じ参加を呼びかけた「オフライン・ミーティング(オフ会)」だ。

「内蔵に羽毛を詰め込まれたように息苦しくなるんです」。喫茶店で自己紹介の後、そう声を掛けてきた千葉市の女子大生(20)は、今年に入り何度も刃物で手足を傷つけていた。
ネットでは「キリハラルミコ」と名乗る彼女は一人っ子で、精神が不安定な母を恐れて育った。不意に怒り出した母が、会社員の父に「じゃあ子どもを殺せばいいのね!」と言い放った姿が今も忘れられない。

昨年夏、うつ病の女性が同じ苦しさを綴った日記をネットで見つけ、病気を自覚した。
「救われた。性格が問題だから治らないと思っていたので」
現在は「浮き沈みのある風景」と題する自分のページを持ち、同じようなページの持ち主と電子掲示板などを使って交流している。

ルミコさんのように、ハンドルネームと呼ぶ仮名を使うのも、ネット・コミュニケーションの特徴だ。不登校が続く横浜市の女子高生「ルティ」さん(16)は「好きな時だけ、好きな距離で相手と話せる。家族や友人と違い、嫌なら遠ざかれるから安心」と話す。

やはりリストカッター≠ナ、一時は毎日のように手首を切っていた。
「相手の期待をいかに読み取り、どこまで応えられるか。それが人生のすべて」と言う彼女にとって、オフ会は「心の底でつながった仲間と触れ合う場」。相手は仮名でも構わないという。

オフ会ではネットの相手と顔を合わせるわけだが、山梨県の女子大生「天音(あまね)」さん(19)は「あくまでネットの延長で、身近な生活とは別の世界」と言う。だから本名は教えないし、尋ねない。「間に線を引かないと、日常がつらい時の逃げ場がなくなる」

自営業の父と弟二人の四人家族。6歳で母が病死して以来、「しっかり者のお姉さん」を演じる陰で、過食と嘔吐、リストカットを繰り返してきた。
10月には睡眠薬などをあおって夜の屋外で倒れ、凍死寸前で発見された。
「永い永い夢を見ることができたらいいのに」。

数日後、日記にこう書いた天音さんの笑顔が切ない。
「身近な人に甘えたいけど、拒否されるのが怖い。ネット上の知らない人なら、何を言われても平気だから」


「いい子」に生きづらさ   「自傷行為に走るのは一人っ子が多い」と語る渋井哲也さん

「いわゆる『いい子』が多い。いつも自分を押し殺しているから、生きる意味を見出せない。そこに『生きづらさ』がある」

10代や20代の若者が、援助交際や自傷行為などを繰り返す背景を探ったノンフィクション「アノニマス ネットを匿名で漂う人々」(情報センター出版局)を出版したフリーライターの渋井哲也さん(32)は、取材時の印象をこう話す。

彼らに共通していたのは「居場所がない」という感覚。背景には都市化による地域の崩壊があるという。
「人の出入りが激しく、住民が互いをよく知らない校外などでは、みんあ同じような考え方や行動をすることで安心感を得ている。裏を返せば、個性を認めない社会ということです」

その影響は学校にも及ぶ。子どもはクラスで孤立しないように本来の自分を隠し、周囲に合わせて演技せざるを得ない。
家に帰っても、価値観が違う親は相談相手にならない。少子化で兄弟がいないことも多く、家庭にも理解者はいない。

その点、利害関係がない人々が匿名で集まるネットの世界は、自分をさらけ出せる数少ない場。
「精神のバランスを取るには有効」と言う渋井さんだが、「それで日常の問題が消えるわけではない。ネットは風邪薬にはなるけれど、万能薬ではない」とも指摘した。


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