紹介記事目録 |
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記事紹介の留意事項 |
京都 |
2001/12/27 |
朝刊 | 15 |
面 | No .N220k011227m15 |
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東京/新宿 |
フリーライター |
男 |
32 |
渋井哲也 |
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シリーズ・特集;いのち&うるおい | ||||||||||
見出し: ネット上の交流に安らぐ/自傷行為繰り返す若者たち/緊張を緩め孤独いやす |
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メモ : 刃物で体を傷つけたり、睡眠薬をあおる「自傷行為」を繰り返す若者たちが、インターネットを使った交流に安らいでいる。犯罪に絡んで批判されがちなネットの出会いだが、傷つくことに敏感な彼らには、日頃の緊張を緩め、孤独をいやす魅力があるようだ。 土曜日。東京・新宿に10台から30代の男女約15人が集まった。若者の自殺願望などを取材しているフリーライターがホームページを通じ参加を呼びかけた「オフライン・ミーティング(オフ会)」だ。 「内蔵に羽毛を詰め込まれたように息苦しくなるんです」。喫茶店で自己紹介の後、そう声を掛けてきた千葉市の女子大生(20)は、今年に入り何度も刃物で手足を傷つけていた。 ネットでは「キリハラルミコ」と名乗る彼女は一人っ子で、精神が不安定な母を恐れて育った。不意に怒り出した母が、会社員の父に「じゃあ子どもを殺せばいいのね!」と言い放った姿が今も忘れられない。 昨年夏、うつ病の女性が同じ苦しさを綴った日記をネットで見つけ、病気を自覚した。 「救われた。性格が問題だから治らないと思っていたので」 現在は「浮き沈みのある風景」と題する自分のページを持ち、同じようなページの持ち主と電子掲示板などを使って交流している。 ルミコさんのように、ハンドルネームと呼ぶ仮名を使うのも、ネット・コミュニケーションの特徴だ。不登校が続く横浜市の女子高生「ルティ」さん(16)は「好きな時だけ、好きな距離で相手と話せる。家族や友人と違い、嫌なら遠ざかれるから安心」と話す。 やはりリストカッター≠ナ、一時は毎日のように手首を切っていた。 「相手の期待をいかに読み取り、どこまで応えられるか。それが人生のすべて」と言う彼女にとって、オフ会は「心の底でつながった仲間と触れ合う場」。相手は仮名でも構わないという。 オフ会ではネットの相手と顔を合わせるわけだが、山梨県の女子大生「天音(あまね)」さん(19)は「あくまでネットの延長で、身近な生活とは別の世界」と言う。だから本名は教えないし、尋ねない。「間に線を引かないと、日常がつらい時の逃げ場がなくなる」 自営業の父と弟二人の四人家族。6歳で母が病死して以来、「しっかり者のお姉さん」を演じる陰で、過食と嘔吐、リストカットを繰り返してきた。 10月には睡眠薬などをあおって夜の屋外で倒れ、凍死寸前で発見された。 「永い永い夢を見ることができたらいいのに」。。 数日後、日記にこう書いた天音さんの笑顔が切ない。 「身近な人に甘えたいけど、拒否されるのが怖い。ネット上の知らない人なら、何を言われても平気だから」 ■ 「いい子」に生きづらさ 「自傷行為に走るのは一人っ子が多い」と語る渋井哲也さん 「いわゆる『いい子』が多い。いつも自分を押し殺しているから、生きる意味を見出せない。そこに『生きづらさ』がある」 10代や20代の若者が、援助交際や自傷行為などを繰り返す背景を探ったノンフィクション「アノニマス ネットを匿名で漂う人々」(情報センター出版局)を出版したフリーライターの渋井哲也さん(32)は、取材時の印象をこう話す。 彼らに共通していたのは「居場所がない」という感覚。背景には都市化による地域の崩壊があるという。 「人の出入りが激しく、住民が互いをよく知らない校外などでは、みんあ同じような考え方や行動をすることで安心感を得ている。裏を返せば、個性を認めない社会ということです」 その影響は学校にも及ぶ。子どもはクラスで孤立しないように本来の自分を隠し、周囲に合わせて演技せざるを得ない。 家に帰っても、価値観が違う親は相談相手にならない。少子化で兄弟がいないことも多く、家庭にも理解者はいない。 その点、利害関係がない人々が匿名で集まるネットの世界は、自分をさらけ出せる数少ない場。 「精神のバランスを取るには有効」と言う渋井さんだが、「それで日常の問題が消えるわけではない。ネットは風邪薬にはなるけれど、万能薬ではない」とも指摘した。 管理人:自傷関連する図書紹介はB220 児童・思春期・青年期の心理 サイト紹介はL220 児童・思春期・青年期の心理 |
京都 |
2001/05/26 |
朝刊 | 20 |
面 | No .N157k010526m20 |
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大阪市 |
女性のトラウマを考える会/女性ライフサイクル研究所 |
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シリーズ・特集; | ||||||||||
見出し: 女性が受けた性的被害 アンケート報告書/子ども時代ほど心理的影響強い/周囲のケア体制が必要 |
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メモ : 女性のトラウマを考える会(代表・石川義之大阪樟蔭女子大教授、村本邦子女性ライフサイクル研究所長)は、アンケートに基づく報告書「女性が受けた性的被害ー大阪コミュニティ調査から」をまとめた。性的被害を受けた経験のある女性が回答者の約80%に達し、子ども時代に受けた被害ほど心理的影響が強いことがわかった。 同調査は性的虐待・被害の実態を調査、解明することで予防や治療に役立てようと1999年5月-7月に実施された。 質問は回答者自身の現在の状況、性的被害にあった経験、過去や現在の感覚・状態・症状など7項目。 大阪市在住の18才から54歳の女性約3000人にアンケートを送付、506人から回答があり、23人にインタビューした。 報告書によると何らかの性的被害を受けたことのある者は回答者の79.6%。 回答者の被害時は、 「子ども時代(18才以下)のみ」 14.8%、「成人期のみ」 28.6%、「両時期とも」 56.5%。 現在の状態について、「不信感」「悲哀」「不安や恐れ」「自責感」などを訴える割合が被害経験者のほうが高く。、後遺症として様々なトラウマが生じることも示された。 「相談経験の有無」については 「知人・友人に話した」 38.7%、「親に話した」 14.6%、 「公的機関に相談した」 2.5%、「誰にも相談したことはない」 31.3%。 石川義之大阪樟蔭女子大教授 「問題への対応はここ5年間ほど進んできたが、公的機関への相談はわずか2.5%とまったく機能していない。行政、民間を含め、それぞれができるところから対策を進めていく必要がある」 ● 周囲のケア体制が必要 村本邦子(臨床心理士・女性ライフサイクル研究所長)に聞く Q.調査結果に対する印象は 性的被害とそれによると考えられる症状や状態が統計的に裏付けられたと思う。日常的な関りとを通して持っている「性的被害は誰にでも起こり得る、近親姦は普通の家庭でも生じる」との印象と、今回の結果はまったく同じだ。 Q.被害の結果どのような状態に置かれるのか 私の研究所に相談に来るのは被害直後よりも何十年もたってからの方が多い。抑うつや不眠、人間関係障害、子どもへの虐待などの症状として出てくるが、本人が認識できていなくても背後に性的被害がある場合も多い。 「性」は人格の中核、根底にあるもので、一回の被害がその人の一生を縛るさまをまざまざと見せるけられてきた。 「子どもだったら被害に遭っても分からない」との見方もあるが、実際は幼い時ほど後の人生に与える影響は大きい。 大人になり人格ができてからのトラウマもいったん人格をバラバラにしてしまうが、人格の発展途上である子ども時代に影響を受けると、健全な自己を経験せずに「人は信用できない」自分はだめだ」などとのゆがんだ自己を形成してしまう。そうすると回復がすごく難しくなる。 Q.深刻な影響を与えるのに、社会的な意識はなぜ低い。 子どもが被害に遭ったとき、親が言うのは「恥ずべき、隠すべき被害を受けた」と思ってしまうし、社会がそう言うメッセージを送るので被害者は「自分が悪い」と自らを責めてしまう。 高価で挑発的な服を着ていても盗難に遭えば悪いのは犯人だが、性的被害では「挑発的な格好をしていた」と被害者が責められる。 ただキャンパスセクハラや横山ノック問題が裁判となるなど、この十年の動きは画期的だと思う。 Q.何が今必要とされているか 被害が起きた時に周囲の人が気付き、ケアできる体制、サポートできる社会が必要。それには社会全体の意識を高める教育が大切。その中でより複雑なものは専門家に相談するという手順が必要。 被害者に伝えたいのは「一人じゃない、悪いのは加害者であってあなたではない、被害があっても生きてきたことが自身の力の証明である」ということ。社会は遅れているけど、話を聞き支えあっていける人は必ずいるから探してほしい。 管理人:「女性ライフサイクル研究所」のサイト紹介はこちらからどうぞ |