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  歌集 花と悲しみ 魂の軌跡
  No.B143048
  NDC 911.168
  宮田美乃里  著   沖積舎   初版2002/04/30
  \1500

はじめに」より抜粋

    短歌にしてもフラメンコにしても「目に見えない魂のようなものに形を与えたい」と
    いう思いが、私の表現の根底にいつもありました。せめて、私の短歌が、
    心に悲しみを秘めている人々の慰めになれば、と願っております。

花と悲しみ」より 作品抜粋

    スミレにはスミレの美学あるならば誰も私を規定できない

    悲しいと鉢花を買う癖がある「一緒に生きよう」と声をかけつつ

    花びらを浮かべしバスに痩せてゆく我が身沈めてオフェーリアとなる

    床の中「今夜死ぬかもしれない」と思える晩は虫の音(ね)やさし

    美しき三十路(みそじ)  鏡をのぞきたる我が瞳(め)に映る魂の軌跡(あと)


秋の静寂に」より 作品抜粋

  序にかえて
     悲しみに詠める心を捧げます汝(なれ)のいだきし哀しみがため
   ――もし、あなたが私と同じような痛みを心のどこかに宿しておられるなら――

    われはなぜ生きるやそれを知らぬまま今はひとえに死を想ひたり

    使い捨てカイロの冷えてゆくさまに愛惜おぼゆ捨てきれぬなり

    吾がために祈りてくれる人ありて素直になれぬこころわびしき

    われ病みて見つめし母のもの云はぬ瞳の奥にせつなさを聴く

    今日われはまだ生きている、掌に冬の朝日のかがやいており

    感情もこころも永遠(とわ)に死にゆけり朱き血こぼる白き手首に

解説に代えて 書くことと孤独 」   なだ いなだ

あとがき」より抜粋

   せめて自分だけは自分自身の存在価値や存在意義を
   認めていきたい……自分で自分を認められない限り、
   たとえ他人が認めてくれたとしても、心は永久に孤独と
   いうことです。

   副題である「〜魂の軌跡〜」という言葉が示すとおり、
   この歌集は、私の内面を暴露したものでもあります。
   それには大変な勇気が必要なことでした。読んでくだ
   さる方の心に私の言葉が届くことを祈るばかりです。


宮田美乃里[ミヤタミノリ]
1970年11月23日、静岡市生まれ。大学では心理学を専攻する。在学中および卒業後、フラメンコ・ダンサーとしてイベント等に参加。フラメンコ・ダンス講師となるが、病気により現在は休職中。
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