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 かに心書
    乳がん私の決めた生き方
    限りある命を花のように
No. B950008
NDC 916
  宮田美乃里  著   リヨン社   初版2003/11/25
  \1500

現代の最新医療でも、民間療法でも、宗教でも、ほかの治療法でも、それを支えにして生きている人たちがいる限り、私はそれを否定しない。その人たちにとってよいのなら、それでいいと思うだけである。

ただ、私自身は現代の最新医療にも、民間療法にも、宗教にも、できるだけ頼らずにいきたいと願っている。「なぜ?」と問う人もいるかもしれないが、野に咲く花が、自然に精一杯生き、やがて自然に朽ちていくように、無理な努力をすることなく、生命に執着することなく、自然な死を迎えたい――そのように考えているからなのである。

まえがき

序章  夕映えの空

第一章  告知
  1 アヴェマリア
  2 偶然の一致
  3 セカンドオピニオン
  4 お見合い

第二章  孤独な生い立ち
  1 死と静寂
  2 幼年時代
  3 少女時代
 4 思春期

第三章  フラメンコ
  1 不思議な夢
  2 踊る苦悩

第四章  恋愛
  1 愛の告白
  2 光の体験
  3 分析家との婚約
  4 婚約破棄

第五章  短歌
  1 悲しみに咲く花
  2 片想い
  3 孤独

第六章  告知から一年
  1 母とがん
  2 祖母の闘病
  3 医師への手紙
  4 心の傷

最終章  この瞬間に命を傾けること

あとがき/参考文献


宮田美乃里[ミヤタミノリ]
1970年11月23日生まれ。歌人。








最終章の最後の六行より
  私は特定の宗教を持たない。人間は死ねば灰になって元素にもどると考えている。でも、なぜだか魂は光となって、そこここに満ちあふれると信じてもいる。魂は雨になり、草にともる梅雨になり、花となり鳥となって、光にもどり生き続ける――と思うことができるのだ。
  いま、病を背負うことにより現実的に「死」を前にして、心に飛べない鳩を抱きながら、野に咲く花のように、私は限られた時間を生きている。
  死は、神様の許しである――そう信じながら。
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