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[性を越えて−自分らしく生きる]

(中)ケア

性別適合手術。いわゆる性転換手術のことだ。

 性同一性障害と認められた患者に、日本精神神経学会が定めたガイドラインに沿ってこの手術を施したのは、国内では埼玉医大と岡山大医学部の2施設に限られる。

 岡山大は昨年1月から、5例の手術を実施した。同大医学部付属病院精神科・神経科の佐藤俊樹助手は「1年にできる手術は10足らずでしょう」と話す。

 一方、自分の性に違和感を持ち、同病院の精神科・神経科で診療を受けた患者は、4月までに224人。西日本一帯に広がり、大阪と岡山で約4割を占める。

 今、10人の患者が手術を待つ。200人を超える患者は、何年も手術を待たなければならないのが現状だ。

 2月、大阪市の美容・形成外科で、女性への性別適合手術を受けた30代の男性が急死した。小規模な診療所や海外で手術を受けるケースは少なくない。

 佐藤助手は「きちっとした医療機関が性別適合手術に取り組んでいく必要がある。実施病院が増えればいいのですが」と話した。

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 民間のセクシュアリティ・カウンセリング機関「相談室ゼロワン」。01年2月、JR岡山駅近くのマンション一室に開設して約1年が過ぎた。スクールカウンセラーや電話相談員ら6人が、身体や人間関係、特に性にかかわる悩みや苦しみの相談に乗る。

 相談の約6割を性の悩みが占める。夫婦や恋人間の、セックスレスを含めた性の不一致が最も多い。思春期の子どもたちからは、性器の形や大きさなどの悩みが寄せられる。

 なぜ、性にこだわるのか。「性は人間の生き方すべてにかかわる。でも、性の悩みは身近な人でも話しにくい」。代表の小合量子さん(55)は、1人で悩まず気軽に相談できる「町の保健室」をつくりたかった。

 最近、性同一性障害に悩む県外の人からも、電話相談が寄せられ始めたという。「心と体の性が一致しない苦しみをどこに言えばいいの」「何をすればいいか、わからない」−−。

 「真剣に悩んだ末に、電話をかけてくる人ばかり。相手の心に寄り添って、一緒に考える相談室が各地にできれば」。小合さんの思いだ。

 ゼロワンは18日、性科学に基づき心と体をサポートするピア・カウンセラー養成の基礎講座を開講する。すでに7人の申し込みがあるという。

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