関心やふれあい、前向きに

高齢期の性、調査からみると


 年を取っても、恋愛や性に対する関心は薄れない。農村に住むお年寄りや施設の入居者に関する調査で、そんな姿が浮き彫りになった。高齢者の性をテーマにした調査は珍しい。

 人口約6100人、山間部に位置し、65歳以上の高齢化率31%の秋田県西木村。村立西明寺診療所長の市川晋一さん(50)は、70歳以上に性意識についてのアンケートをした。有効回答326人(男性153人、女性173人)。

 「性欲はあるか」という問いに、男性は「普通にある」が33%、「多少ある」39%、「ない」28%で、約7割に性欲があった=グラフ上。ぼっきするかどうかでも約7割は「普通」か「たまに」と答えた。

 99年3月に発売された男性の性的不能治療薬「バイアグラ」。服用希望者は41%に上り、性欲がありぼっきもする男性のうち57%は「服用したい」と回答した。

 一方、女性の性欲については「普通」「多少」がともに16%で、「ない」が66%と男性とは逆の結果に。だが、「普通」「多少」と答えた女性のうち31%は、夫にバイアグラの服用を希望していた。

 市川さんは「元気な人ほどバイアグラを望むのは意外だった。高齢になると性欲は枯れるなどということはないようだ」と話す。

 施設内の高齢者については96年、札幌医大の熊本悦明名誉教授の研究班の調査がある。全国4699の老人福祉施設の施設長らに性の実態と対応を聞いた(回答は2013施設)。

 「入居するお年寄りに性欲はあるか」との問いに、男性で95%、女性で81%に「あると思う」と回答。性欲の内容は、男性は直接的な触れ合いを、女性はいたわり合いなど間接的な男女のつながりを求める傾向を挙げた。

 全体の約8割の施設は入居者の性的関心や恋愛を「肯定的」にとらえるとし、そうした性の欲求の実現でQOL(生活の質)は向上すると考える施設は、7割を超えていた。

(02/10)