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N154  出産・生殖医療・遺伝
紹介記事目録
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記事紹介の留意事項





















京都
2013/02/15
No .N155k130215xxx




厚生労働省研究班
シリーズ・特集;http://www.kyoto-np.co.jp/country/article/20130215000112
見出し:
人工授精「子に伝える」15%  割合増、厚労省調査
メモ :
男性不妊のため第三者から精子提供を受ける非配偶者間人工授精(AID)を希望し、実施拠点となっている慶応大病院で受診した夫婦112組を対象に厚生労働省研究班が実施した調査の結果、15%が「生まれてくる子にAIDの事実を伝える」との考えを示したことが2013年2月15日、分かった。

調査は2010年8月〜11年12月に実施し「告知しない」が52%を占めたものの、告知に肯定的な夫婦の割合は2008年度の同種調査より増え、意識の変化が浮かんだ。

近年、提供精子で生まれた人たちが告知の大切さや出自を知る権利を訴える活動をしており、変化の背景にあるとみられる。

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朝日
2011/07/27
No .N154a110727xxx
韓国、タイ




シリーズ・特集;http://www.asahi.com/national/update/0726/TKY201107260853.html
見出し:
卵子提供へ日本人女性海渡る 100人超、謝礼60万円
メモ :
日本人の若い女性が日本人の不妊夫婦に卵子を提供するため、韓国やタイに渡っていることがわかった。この1年間で100人以上が、60万〜70万円の謝礼で提供していた。日本国内では第三者による卵子提供は認められていない。一方、韓国やタイの両政府も規制強化に乗り出した。

日本人の卵子提供者を韓国やタイに送るあっせん業者は、東京やバンコクに少なくとも4業者ある。朝日新聞が3業者と、採卵で協力している現地の医療機関に取材したところ、2010〜11年に100人以上が提供していた。

提供者はインターネットで募集している。約2週間の現地滞在中、排卵を誘発する注射を打つ以外は自由に行動できる。提供者への報酬は、銀行口座に振り込まれる例が多い。

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朝日
2011/02/19
No .N154a110219xxx
インド、タイ




シリーズ・特集;http://www.asahi.com/national/update/0219/TKY201102180590.html
見出し:
インド・タイで代理出産、日本人不妊夫婦が急増
メモ :
インドやタイで代理出産を望む日本人の不妊夫婦が急増し、2008年以降、少なくとも30組が依頼、10人以上の赤ちゃんが誕生していることがわかった。米国より安く済み、日本人向け業者がこの1、2年に相次いで、あっせんを始めた影響が大きい。

一方で、代理母は貧しく、妊娠中は集団生活を求められる例が多く、倫理面から批判もある。インド、タイ両国政府は、代理出産をめぐるトラブルを避けようと、法整備に乗り出した。

インド、タイの医療機関やあっせん業者に取材すると、2008年以降、インドで20組以上、タイで10組以上の夫婦が代理出産を依頼し、計10人以上が生まれていた。夫婦の受精卵を代理母に移植するほか、第三者からの提供卵子と夫の精子で受精卵を作り、代理母に移す例も多かった。

これまで、日本人が代理出産を依頼するのは米国が中心だった。インド、タイで日本人の依頼が増えた背景には、2008年にインドで代理出産で生まれた日本人の赤ちゃんが無国籍状態となり一時出国できなくなった問題が、大きく報道されたことがある。

これをきっかけに「安価なアジアで代理出産が可能」と知られるようになり、インド向けの3社、タイ向けの2社のあっせん業者が、主にこの1〜2年の間に東京やバンコクで取り扱いを始めた。現地の診療所と提携、代理母の紹介、出産後の法的手続き、通訳を代行している。

費用は、代理母への報酬も含め500万円前後のところが多く、米国の3分の1程度で済む。

代理母への報酬は、両国とも日本円で平均60万円程度。代理母は経済的に貧しい女性が多く、インドでは5〜10年分の年収に当たるという。また「健康な子どもを手渡せるように」と、宿泊所での集団生活を求められ、食事や行動も管理する施設が多い。

インド、タイ両国とも現時点では代理出産を規制する法律はないが、いずれも昨年、合法化を目指し法案が提出された。インドの法案では、依頼人の出身国が代理出産を認めるという証明書の提出を求めている。日本は認めていないため、法施行後は日本人は依頼できなくなる可能性がある。タイでは金銭のやりとりは禁止する方向で調整中だ。

日本では代理出産を規制する法律は無いが、日本産科婦人科学会が指針で禁止している。しかし海外でのあっせんに関する規定はなく、強制力もない。日本学術会議は2008年、第三者の体を生殖の手段として使うことは問題があると、代理出産を原則禁止する報告書をまとめた。

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朝日
2011/01/08
No .N154a110108xxx

国際医療福祉大講師


清水清美
シリーズ・特集;http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201101080002.html
見出し:
精子提供、子どもに話して=告知絵本「わたしのものがたり」
メモ :
「しんせつな男の人がせいしをプレゼント」「みんながとてもしあわせになりました」―。第三者からの精子提供(非配偶者間人工授精=AID)による出生を、子ども本人に分かりやすく伝える絵本「わたしのものがたり」がこのほど発行された。編集・発行した国際医療福祉大講師の清水清美さんは「子どもに伝えるための教材にしてほしい」と話している。

AIDは戦後間もない時期から行われ、これまでに1万人以上の子どもが生まれたとされる。不妊に悩んだ夫婦はAIDの事実を周囲に隠し、子ども本人にも告げないのが当然と考えられてきたが、近年、成長した後に偶然知って苦しむ人たちが声を上げ始めた。

清水さんは自らの不妊体験から、AIDの調査や親たちのサポート活動に携わり、子どもが小さいうちから真実を伝える大切さを実感。欧州には告知のための絵本があり、英国の「MY STORY」を参考に、日本向けにアレンジした。待ち望んだ子どもをAIDによって授かり、家族が幸せになるストーリーを、温かみのある絵と簡潔な文章でつづっている。小学校入学前ぐらいの幼児が対象という。

巻末には、告知した親の体験談も掲載した。清水さんは「自分の一番大切な情報を知らされないことは、人間として尊重されていないと感じる。子どもが幸せにならなければ親も幸せになれない」と話している。

絵本の問い合わせは清水さん 電話0465(21)6651 電子メールkiyomi.ns@iuhw.ac.jpまで。

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朝日
2009/11/25
No .N154a091125xxx




諏訪マタニティークリニック
シリーズ・特集;http://www.asahi.com/national/update/1125/TKY200911250324.html
見出し:
代理出産の母娘が会見「温かく見守って」
メモ :
腫瘍のために1歳で子宮を摘出した娘(27)と、娘夫妻の子を代理出産した実母(53)が2009年11月25日、東京都内で記者会見を開き、「代理出産という選択肢しかない私たちのような人を温かく見守って」と訴えた。

日本学術会議は2008年、代理出産を原則禁止とする報告書をまとめたが、法整備に向けた議論は進んでいない。母娘は会見をした理由を、「代理出産の議論を忘れないでほしいから」と話した。

諏訪マタニティークリニック(長野県)の根津八紘院長によると、母娘が代理出産に向けて治療を受け始めたのは2008年6月。閉経していた母は子宮が萎縮し、胎盤ができる子宮内膜も薄くなっていた。生理を再開させ、子宮内膜を復活させるため、女性ホルモンのはり薬を使った。

娘の卵子と娘の夫の精子で受精卵を作り、母親の子宮に移植。母は妊娠中に2回、切迫流産を起こしかけて計5週間入院したが、2009年5月、帝王切開で無事、男の子が生まれた。出産までにかかった費用は約200万円だという。

国内で代理出産を手がけるのは、この母娘がかかった同院だけ。同院では20件の代理出産を手がけ、11件で13人の子が生まれ、そのうち実母による代理出産では7件で7人が生まれたという。

日本産科婦人科学会は25日、母娘らの代理出産について、「現時点では代理懐胎の実施は認められないとしており、きわめて遺憾」とする声明を発表した。

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京都
2009/08/02
No .N155k090802xxx




厚生労働省研究班/名古屋市立大
シリーズ・特集;http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009080200075&genre=O1&area=Z10
見出し:
妊娠女性の41%が流産経験 「不育症」は8万人
メモ :
妊娠したことがある女性の41%は流産の経験があり、流産や死産を繰り返して出産に至らない「不育症」の患者は年間約8万人いるとの研究結果を、厚生労働省研究班が2009年8月2日までにまとめた。

名古屋市立大の杉浦真弓教授(産婦人科)と鈴木貞夫講師(公衆衛生学)らが、一般の女性を対象にしたアンケートを基に計算した。産婦人科を受診した人などに偏らず、不育症の発生に関して行われた調査は初。

杉浦教授は「流産は一般に思われているより頻繁に起きている。不育症の患者のうち多くは出産できる可能性があるので、積極的に検査や治療を受けてほしい」と話している。

教授らは、2007年2月からの1年間に、愛知県岡崎市で健康診断を受けた35〜79歳の女性のうち503人から回答を得た。妊娠経験がある458人中、流産したことがあったのは190人(41.5%)。2回以上で「不育症」とみられるのは28人(6.1%)、3回以上の「習慣流産」は7人(1.5%)いた。

国内の年間出生数は約110万人で、一般的な流産率は15%とされ、研究班は年間妊娠数を約129万人と推定、不育症患者は約7万9千人と算出した。

杉浦教授によると、流産の大半は、自然現象として一定の割合で起きる胎児の染色体異常が原因。通常、流産時に胎児の検査までしないため「原因不明」とされることが多いが、次回以降の妊娠で出産できる可能性がある。抗リン脂質抗体症候群という、胎盤に血栓をつくる自己抗体の異常が原因なら、薬でコントロールできるという。

杉浦教授は「流産を繰り返すと精神的にも疲れ、あきらめてしまう人も多いが、原因が分かれば次の妊娠に臨む気持ちが持てる」と指摘。ただ、一部の検査や薬は保険の対象外で自己負担になるといった問題がある。

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朝日
2008/08/08
No .N154a080808xxx
インド・愛媛県
医師

40代

シリーズ・特集;http://www.asahi.com/national/update/0807/TKY200808070382.html
見出し:
インドで代理出産の赤ちゃん、夫婦離婚し帰国困難に
メモ :
日本人夫婦が、代理出産が認められているインドで、契約を結んだインド人代理母から女の赤ちゃんを得たが、帰国が難しくなっていることが2008年8月7日わかった。出産前に夫婦が離婚をしており、赤ちゃんがパスポートの取得ができずにいるためだ。このトラブルを現地や海外のメディアが報じている。

代理出産については、日本学術会議が、日本人夫婦による海外での代理出産には子どもの福祉からも、代理母の福祉からも問題があると指摘。2008年4月に国内での実施も含め、代理出産の原則禁止をうたった報告書をまとめている。

現在、赤ちゃんがいる西部ジャイプールの病院などによると、愛媛県の40代の男性医師と妻はインド人女性と代理出産契約を結び、インドの不妊治療クリニックから第三者の卵子提供を受けて7月25日に女児が生まれた。夫婦は子どもが誕生する前の6月に離婚しており、元妻は女児の引き取りを拒否しているという。

男性医師は赤ちゃんを引き取る意向で、女児はインドのパスポートを取得する方向で検討を始めた。女児は、男性の母親が現地で世話をしているという。

男性医師によると、すでに代理母を母とする出生届をもらっている。日本大使館からインドでの養子縁組を求められたが、養子縁組を求める自分の名が出生届の父親欄にあるため、養子縁組は難しいと現地で言われたという。

さらに、養子縁組については、インドでは独身男性は女子を養子にむかえられないという。ただ、病院側は「生物学的な父親なので、本来は養子縁組をする必要はない。インドで生まれたので、市民権を得て、インドのパスポートを取れるはず」と話す。

インドでは2004年に代理出産が認められ、海外からの依頼が急増していると言われる。代理母には多額の報酬が支払われる。経済的理由で貧しい女性が引き受ける場合が多いなどと問題視する声もある。

女児の場合、かりにインドの市民権、パスポートを得て出国できても、すぐに日本国籍が得られるわけではない。インド人の代理母を母とする出生届を日本で出すだけでなく、父親が認知のための裁判手続きもする必要があるとみられる。

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京都
2007/07/16
No .N155k070716xxx
長野県/諏訪町



根津八紘院長
シリーズ・特集;http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007071600126&genre=C4&area=Z10
見出し:
夫婦外体外受精160組に  長野の産婦人科医が公表
メモ :
諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘院長は2007年7月16日記者会見し、日本産科婦人科学会が禁止している、第三者から卵子や精子の提供を受けた夫婦外の体外受精を、これまで計160組の不妊夫婦に実施し、その結果124人の赤ちゃんが誕生したと明らかにした。

根津院長は、第三者の精子を妻の子宮に注入する夫婦外の人工授精(AID)が国内で長く行われている一方で、体外受精では卵子、精子の提供を認めない学会の対応を批判。夫婦外の体外受精も「ほかに多くの施設で行われているのが現実」と主張した。

説明によると、1996年以降、妻の早発閉経などが原因で卵子の提供を受けて体外受精した夫婦は計111組。うち40人の妻が双子10組を含む計53人を出産し、現在も4人が妊娠中。

夫婦外の体外受精は、2003年に厚生労働省の部会が容認する報告書を出したが、法整備は棚上げ状態になっている。

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朝日
2005/11/24
No .N154a051124xxx



50代

シリーズ・特集;http://www.asahi.com/national/update/1124/TKY200511240402.html
見出し:
代理出産の母子関係、最高裁も認めず 夫婦の抗告棄却
メモ :
米国で代理出産によって生まれた子の出生届を自治体が受理しなかった処分を不服として、関西地方に住む50代の夫妻が処分の取り消しを求めた家事審判の抗告審で、最高裁第一小法廷(才口千晴裁判長)は2005年11月24日、夫妻の抗告を棄却する決定をした。夫妻の申し立てを却下した神戸家裁明石支部の判断が確定した。

審判などによると、夫妻はカリフォルニア州で米国人女性から卵子の提供を受けて夫の精子と体外受精させ、別の米国人女性の体内に着床させて2002年に子をもうけた。夫妻は出生届を出したが、「母と認められない」として不受理とされた。

神戸家裁明石支部は「法律上の親子関係は、客観性・明確性の観点から、分娩した者と子との間で認めるべきだ」と判断。大阪高裁もこれを支持し、「人をもっぱら生殖の手段として扱い、第三者に懐胎、分娩による危険を負わせるもので、人道上問題がある」と述べた。子を産んだ女性と争いが生じる可能性も指摘し、代理出産の契約は「公序良俗に反して無効」とした。

これに対し、夫妻は「子どもを持ち、幸福を追求する権利が侵害された」などと最高裁に抗告したが、第一小法廷は高裁の判断を「是認できる」とした。

「正当として是認できる」と述べなかったのは、卵子は自分のものだった場合などを考慮し、代理出産全般を認めないわけではないというニュアンスを込めたものとみられる。

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朝日
2004/07/16
No .N154a040716xxx
西日本


40代
高松高裁
シリーズ・特集; http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200407160034.html
見出し:
保存精子で出産、亡夫の子と認知 高松高裁が逆転判決
メモ :
西日本に住む40代の女性が夫の死後、凍結保存していた精子による体外受精で男児を出産したとして、男児を夫の子として認知するよう求めた訴訟の控訴審判決が2004年7月16日、高松高裁であった。松本信弘裁判長は請求を棄却した一審判決を取り消し、死亡した男性の子であると認知する逆転判決を言い渡した。妊娠時に死亡していた男性を父親と認める司法判断は初めて。生殖補助医療を巡る議論に大きな影響を与えそうだ。

松本裁判長は「死亡した男性は妻の賛同が得られれば、保存精子を使って子どもをつくってほしいと希望しており、死後の懐胎について同意していたと認められる」とし、また「認知の訴えは、懐胎したときの父の生存は要件ではない」と述べた。

訴状などによると、夫は1998年、無精子症になる恐れがある放射線治療に備えて医療機関で精子を冷凍保存し、1999年に病死した。女性は夫の精子で体外受精を試み、2001年に男児を出産。出生届を出したが、夫の死後300日以上たって生まれており、夫婦間の子どもと認められないとして受理されなかった。このため、2002年6月に提訴した。

民法は、親の死から3年以内であれば、死後の認知を求める訴えを起こせると定めている。だが、親が生きていた間の妊娠を前提としており、医療技術の進歩による精子凍結保存という事態は想定していない。

一審の松山地裁は「早急に何らかの立法的手当てが行われることが望ましい」とした上で、
(1)夫が生前、死後の体外受精に同意していたとは認められない
(2)死者との間で法律上の父子関係を認めることが子の福祉にかなうとも言えない
(3)学会などの動向を見ても消極的意見が多い
――などとして女性の請求を棄却していた。

控訴審で女性側は、夫が生前、「自分が死んでも再婚しないのなら、子を産んで両親の老後をみて欲しい」と頼んだと主張。「子どもの福祉の見地から父子関係が保障されるべきだ」と訴えた。

これに対し被告の高松高検は「死後の認知は夫の生存中に妻が妊娠していることが前提」と反論していた。

〈凍結精子〉
精液を保存液と混ぜ、零下196度の液体窒素の中で凍結、保存する。人工授精や体外受精をする際、男性側の都合で女性の排卵日に来院できない場合などに広く使われる。技術的には、半永久的に保存できる。フランスやドイツは法律で死後の使用を禁止したが、米英では夫の同意があるなどの条件で使用できる。


管理人:この地裁一審判決の記事紹介はこちら


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京都
2003/11/12
No .N154k031112xxx
西日本


40代
松山地裁
シリーズ・特集;
見出し:
凍結精子児の認知請求を棄却/夫の死後に妊娠、出産
メモ :
夫が凍結保存した精子で、夫の死後に体外受精で妊娠、出産した西日本の40代女性が、生まれた男児(2つ)の代理人として、男児を夫の子と死後認知するよう求めた訴訟で、地元の地裁は2003年11月12日、請求を棄却した。

裁判長は判決理由で「このような方法で生まれた子の父を精子提供者とする社会的な認識は乏しく、法律上の父と認めることにはちゅうちょを感じる」とした上で、「父が死後の体外受精に同意していたとは認められない」と述べた。

原告代理人の弁護士は「予想に反する判決。原告と相談して控訴する方向になる」と話した。

男性の死後に凍結保存精子で女性が妊娠、出産した例が国内で明らかになったのはこのケースが初めて。民法は女性の妊娠後に男性が死亡することは想定しているが、男性の死後の妊娠は想定外で、不妊治療でも夫の死後は精子を廃棄することになっている。


▽判決要旨

民法に定める認知の訴えは、嫡出子でない子と血縁上の父との間に法律上の父子関係の形成を求める訴えである。民法制定当時、「血縁上の父」の概念は明確だったが、生殖補助医療の発達で性交渉を経ない受精、妊娠が可能となり、概念にも変化を生じさせかねないこととなった。

父子関係が概念のややあいまいな社会通念によって決するということは望ましいわけではなく、早急に、何らかの立法的手当てが行われることが望ましい。それまでの間は、社会通念に照らして個別に判断していくほかはない。


▽法律上の父子関係

夫婦の同意による体外受精は性的交渉による妊娠が著しく困難であることを補うためのもので、子の福祉の観点からみても問題はさほど大きくないと思われる。

ところが、本件のごとく精子提供者が死亡した後に、保存精子で体外受精し妊娠、子が出生したという場合には、同視できない。自然的な受精、妊娠という過程からの乖離が著しく、社会的通念の点からみても、このような方法により生まれた子の父を、当然に精子提供者(死者)とするといった社会的な認識は、なお乏しいと認められる。

その意味で、精子提供者(死者)を当然に法律上の父と認めることには、なお、ちゅうちょを感じざるを得ない。


▽夫の同意

原告は、精子提供者である死亡した夫が生前に同意していたと述べているが、裏付けとなる証拠はなく、夫が死後、体外受精が行われることに同意していたとは認めることができない。

夫は病院に精子保存の依頼書を提出しているが、そこでの同意は生存中の体外受精に関するものであって、死亡後について同意されたものではない。夫の生前の同意を理由に、認知請求が許されるとの原告の主張は認められない。

さらに、原告は子の福祉の観点を強調し、認知請求が認められるべきことを主張するが、監護、養育、扶養を受けることが考えられない者との間で、法律上の父子関係を認めることが、当然に子の福祉にかなうことであるとも言い切れない。


▽社会的合意

生殖補助医療の進展は日進月歩であり、現時点において明確な社会的な合意が形成されてはおらず、むしろ、専門家による検討、国民的な議論を経て、今後、社会的な合意が形成されていくものと思われる。

しかし、学会や立法動向などをみても、生まれてきた子を精子提供者(死者)の子と認めることに肯定的な意見が多くみられるといった状況にはない。本件請求を認めるだけの社会的な理解は、いまだ十分に広がっていないと思われる。


管理人:この控訴審の記事紹介はこちら


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朝日
2002/10/13
朝刊 1面 No .N154a021013m1





シリーズ・特集;
見出し:
提供精子で受精 1千組に5千回/01年実績 本社調査/指針違反 近親者分も/「出自知る権利」反対7割
メモ :
夫の精子が使えないため、夫以外の男性に精子を提供してもらう人工授精(AID)が2001年1年間に国内で少なくとも1100組の夫婦を対象に計約5000回実施されていたことが朝日新聞社の調査でわかった。提供者の大半は匿名の学生だが、海外の精子バンクという回答もあった。一方で日本産科婦人科学会の会告(指針)に反し、夫の近親者の精子を使ったり、エイズウイルスなどの検査をしていなかったりする施設も一部にあった。


1949年に最初の子どもが誕生して以来、AIDによって1万人以上が生まれたと推定されるが、提供の実態などが明らかになるのは初めて。

学会にAIDの実施を登録した26施設に協力を求めてアンケート。23施設から回答があった。

この結果、16施設が約1100組に計約4900回実施していた。

最も多い施設は400組以上に計約1700回実施。20回以下のところも5施設あった。

提供者が学生の場合は医師の出身大学や施設近くの大学の学生が匿名で協力していた。インターネットで募っている施設もある。提供者には1万〜3万円の協力費が支払われている。

近親者が提供したというのは3施設で、夫の父や兄弟ら。学会は1997年、AIDを認める会告でプライバシーや家族関係に配慮して提供者は匿名とした。2年前には父の精子を使った西日本の施設を厳重注意した。

近親者の精子を使ったという施設の一つは「強い希望がある場合に限り例外的に実施している。子どもにはAIDの事実を伏せ、トラブルはないと思う」としている。

さらに学会は、提供者は肝炎ウイルスなどを事前に検査、感染者は除外するよう定めているが、2施設は検査をしていないと答えた。

このほか、東京都内の総合病院は学会に登録しないで年に200組以上に実施していたことがわかるなど、学会の会告が順守されないまま、AIDが実施されている実情が浮き彫りになった。

厚生労働省の部会が、生まれた子どもに「出自を知る権利」を認める方針を決めたことについて、施設の7割が「提供者が減る」などと反対。すでに影響が出てAIDを中止したところもあるほか、やめるという施設もあった。


不妊治療

人工授精や体外受精などがある。人工授精は性交できない場合などに夫の精子を妻の子宮に器具で注入する方法。夫以外の男性の精子を使うAID(Artificial Insemination by Donor)は非配偶者間人工授精という。体外受精は、卵管に問題がある場合などに妻の卵子を体外に採り出し、受精させて子宮に戻す方法。約500施設で行われ、年間1万人が生まれている。

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読売
2001/04/11
夕刊 1
No .N154y010711e1
オーストラリア



モナシュ大学生殖発達研究所
シリーズ・特集;
見出し:
精子使わず受精/豪の研究所、マウスで成功/体細胞卵子に注入
メモ :
オーストラリアのモナシュ大学生殖発達研究所の研究者が、精子を使わずに卵子を受精させることにマウスを使って成功したことが2001年7月10日わかった。
精子と卵子から子どもができるという自然の理を覆す技術。人間に応用すれば、無精子症の男性や女性同士のカップルなどの妊娠、出産も理論的には可能になる。

グループのオーリー・ラッカム・カプラン研究員によると、オスとメスのマウスの皮膚などの体細胞の核を卵子に注入後、特殊な化学物質を加えた。
その結果、もともと対になっている体細胞の染色体の半分が除去され、残る半分と卵子内の染色体が対になり受精。培養したところ分裂が始まり、胚に育った。
今後、この胚を代理母マウスの子宮に戻し妊娠、出産させることも計画中。

オーリー・ラッカム・カプラン研究員
「正常な子どもができるかどうかなど課題は多いが、信じられない躍進」

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