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L185 女子校・女子大・女子生徒  教育新世紀 Yomiuri on Line抜粋集


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女子大の役割  5大学でアフガンの女性教員研修リーダー育成を支援へ  2002/04/18

女子大の存在意義が問われる中、日本の女子大が、アフガニスタンの女子教育支援に乗り出す。女子大の「特性」を国際協力に生かし、新しい姿勢を示すのが狙いだ。
調査研究本部 北村 節子

17日、アフガン暫定行政機構のラスール・アミン教育相が、女子教育の現場を視察するため、東京のお茶の水女子大(本田和子学長)を訪れた。

タリバン政権下で滞っていた女子教育の復興支援に乗り出すのは、同大のほか、奈良女子大、東京女子大、津田塾大、日本女子大の5つの女子大。2月に連携組織を設立し、今年度からアフガンの女性教員候補を招いて研修する準備を進めてきた。3年間、10―20人を6週間ずつ招き、理科実験や幼児教育の現場などを体験してもらおうという内容だ。

同組織の代表を兼ねる本田学長は、女子大がアフガンを支援する意味について、「女子大ならではの利点がある」と強調する。その一つとして挙げるのが「女子に教育は不要という考えの時代から培ってきた教育のノウハウ」だ。

日本では明治以降、女性の就業機会が少ない中で、教員は「女性の適職」と見なされ、社会から歓迎されてきた。女子教育が壊滅状態のアフガンでは、女性教員の育成から始めねばならず、こうした日本の経験が役立つ、という。

同組織は、「女子大では女性教員の比率が高く、女性の社会参加のモデルを提示でき」、「共学に比べて規模が小さく、教員が少人数の学生にきめ細かな指導を行える」と説明する。男性と接する機会が極端に少なかったアフガン女性にとっては、女子大キャンパスは落ち着けるはず、とも見る。

同窓会の機能も見逃せない。各世代の女性がボランティアなどで在学生や留学生の面倒を見る、という伝統は、共学大より女子大で強い傾向がある。

こうした「女子大ならでは」の特徴は、実はそのまま現在の女子大がアピールしたい姿でもある。お茶大、奈良女大は国立大学の独立行政法人化を前に、あらためて公的な女子大の存在意義を問われているし、私立の3大学は少子化の中、共学に流れがちな学生をひきつける工夫が求められている。

一昨年末、お茶大、奈良女大が卒業生と大学院修了者1万1000人余を対象に調査したところ、7割以上が「男性に頼らない独立心を養える」などとして「男女別学維持」を支持した。別学支持率は若い層ほど高かった。また、70歳代を含む回答者の7割近くが「有職」と答えており、生涯にわたる有職率の高さも目立つ。結果を受けて両大学では「女子大は古い、というのは固定的な見方。むしろ、女性の社会参加を支援し、リーダーシップを養う機能を持っていることが裏付けられた」と女子大の「新しい役割」を強調する。

お茶大が今年度中に、女性研究者や大学院生に配慮して学内に零歳児から受け入れる保育所を新設する動きなども「新しい役割」を意識したものだろう。同大では、全学生の1割が留学生で、その8割をアジア出身者が占める。今回の試みは、「アジア支援に力を入れて、国際色を強めたい」という大学の戦略に沿ったものと言える。

米国でも1970年以降、女子大不要論が喧伝(けんでん)された。90年ごろまでに約3分の1まで減ったと言われるが、スミス・カレッジやシモンズ・カレッジなど名門女子大は、「女性の職場進出、リーダーシップ育成」を明確に掲げることで生き残った経緯がある。

「女子大の役割は女性リーダーを育てることにある。それをアフガン支援にも生かしたい」という、大学側の力量が問われている。

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お茶大初の女性学長 本田和子名誉教授を選出  2001/12/12
お茶の水女子大(東京都文京区)の次期学長に本田和子(ますこ)・名誉教授(69)=写真=が就任することが十一日、決まった。女性の学長は同大では初めてで、国立大全体でも、丹羽雅子・奈良女子大学長に続き二人目。

佐藤保・現学長の任期満了に伴う選挙が六日行われ、女性四人を含む六人の候補から本田名誉教授が選出された。十一日、正式に評議会で決定した。任期は来年二月十六日から二〇〇五年三月末まで。

この日記者会見した本田さんは「女性に視点を置いた研究、教育を充実させていきたい」と抱負を述べた。本田さんは一九九四年度まで同大の教授で、家政学部長も務めた。九五年度から埼玉県の聖学院大教授を務めている。専攻は児童学で、「子ども論」に独自の境地を開いたことで知られる。
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女子大どうする  お茶の水奈良女子  卒業生1万人調査  2001/11/20

お茶の水女子大(東京都文京区)、奈良女子大(奈良市)の東西二つの国立女子大が近く、卒業生計約一万人を対象にした大規模なアンケートを共同で実施する。男女共学志向が強まるなど、女子大の存続意義が揺らいでいるため、将来像を探る手立てにする狙い。在学時代の満足度や、女子大卒であることが卒業後の生活にどう影響したかなどを聞く予定で、ずばり「男女別学を維持すべきか」という質問も含まれる。

調査の対象は、一九四九年の新制大学発足時から今春の卒業生まで、二十代から六十代後半にかけての大学、大学院卒業生計約一万人。今月中にも送付し、年度内に報告書をまとめる。

アンケートでは「なぜ国立の女子大を受けたか」「女子大に入って満足だったこと」などのほか、職業生活を中心に卒業後の活動ぶりなどを聞く。別学のままか、共学化した方がいいかを選ぶ質問も用意。今後重視すべき学問分野などにも回答や自由記述を求め、母校の進むべき道を“指南”してもらう。

正規の学生を女子に限っているのは国立では両大学だけで、いずれも前身は女子高等師範学校。女子教育の最高学府としての役割を果たしてきた。

しかし、女子大を取り巻く環境は厳しい。大学進学率の高まりとともに共学志向が強まり、一部の教員からは、受験生の「学力低下」も指摘されている。国会でも「男女平等社会で、もはや国立女子大に存在意義はないのでは」といった厳しい質問が飛び出すほどだ。また、文部省は従来、国公私立の大学生の就職内定率を出す際、女子大を分けて公表していたが、共学に比べて苦戦したこともあり、私立女子大側の要請を踏まえて、昨年から区別して公表するのをやめた。

こうした中でも、両大学ともに今のところ共学化に踏み切る考えはない。お茶の水女子大は今春、「当面は女子大で」との方向をまとめた。現在の環境では、むしろ女子大という個性を打ち出した方が得策、との判断からだ。奈良女子大では、「研究体制の強化」などを理由に理系の教員から共学化を求める声があったが、結局、「男子を入れると、女性が研究者になる道をますます狭める」という声が上回り、女子大として存続する方向に落ち着いた。

アンケート結果についてお茶の水女子大では、「学部の改組なども含め、女子大ならではの『生き残り策』を検討するのに役立てたい」。奈良女子大は「女子大の存続意義に、どんな意見があるか聞きたい」と話している。

今年は私立の日本女子大、津田塾大などが創立百周年を迎えたが、女子大の環境は国公私立を問わず厳しく、県立広島女子大は共学化も視野に入れた検討を始めるという。

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